書籍詳細

OCT眼底診断学 第3版

編集=岸 章治(群馬大学眼科教授)

B5判

384頁

ISBN978-4-86034-296-8

2014年11月発行

書籍 定価23,760(本体22,000円+税) 数量
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チラシ

正誤表本書第1刷(2014年11月14日発行)の正誤表は、こちらから

眼底疾患の診断と治療に役立つ、眼科医必携書

“OCTを診断にどう役立てるか” を主眼にした国内第一人者による解説、圧倒的な点数の精緻な図版。OCT(光干渉断層計)の進歩にあわせ、全面改訂!

◆本書の主な特徴
・国内初のOCT眼底診断学書として多くの読者に支持されてきた『OCT眼底診断学』
・OCTを理解するための特徴・基礎理論などを解説した「総論」と、豊富な自験例から構成される症例解説の「各論」による2部構成
・第3版では、OCTの基礎理論の解説がより充実。OCTの進歩にあわせて増大した新知見を盛り込み、本文・図版を大幅に一新!

◆第3版の主なポイント
・SS-OCTによる深く精細な画像による、最新の眼底診断学を展開
・300点を超える圧倒的な図版で各疾患とその読影を解説
・SD-OCTの原理である“フーリエ変換”にも迫る
・第2版よりスリムな厚さながら、内容は1.5倍!価格も据え置き!“OCTを診断にどう役立てるか” を主眼にした国内第一人者による解説、圧倒的な点数の精緻な図版。眼底疾患の診断と治療に役立つ、眼科医必携の書!

◆著者序文
 2010 年に本書の第2 版を出してから4 年半たった。第1 版はTime domain OCT 時代のもので,第2 版ではSpectral domain OCT(SD-OCT)にあわせて全面的な改訂を行った。しかし,その後のOCT の進歩により,新知見は急速に増大した。加算平均技術により,微妙な階調を表現できる白黒表示が主流になり,偽カラー表示は陳腐なものになってしまった。Enhanced depth imaging の導入は脈絡膜の観察を可能にした。2012 年に発表されたSwept source OCTは脈絡膜だけでなく,硝子体も可視化した。光源が高深達になったため,病巣の内部構造がより精細にわかるようになった。第2 版の改訂の必要性を痛感するようになったのである。
 今回,執筆にあたっては,「自分が理解できないことは書かない」という方針を貫いた。OCT の理論に関しては,秋葉正博氏にたくさんの愚問を発し,それに対するていねいな回答をいただいた。総論の「Ⅱ 基本原理」と「Ⅲ OCT 画像」の図の多くは秋葉氏の提供によるものである。SD-OCT の本質はフーリエ変換にあり,これが理解できないと,「なぜ参照鏡を動かさずに距離情報を得ることができるか」という問いに答えられないのである。フーリエ変換は数学の一大理論で,その理解には教科書1 冊分の基礎知識が必要である。このため,ほとんどの眼科医から無視されるかもしれない項目に多大な労力を費やすことになった。フーリエ変換は,通信技術に不可欠なだけでなく,量子力学の世界では不確定性原理や波動方程式の根幹をなすものである。
 かつて眼底所見を読むことは,検眼鏡所見から病理所見を類推することであった。しかし,透明な硝子体や,網膜色素上皮より後方の病変は検眼鏡では観察すらできなかった。OCT は検眼鏡所見と病理の対応を可能にしただけでなく,検眼鏡では見えない組織の病態の観察も可能にしたのである。たとえば我々は視細胞外節のレベルで視機能を論じ,中心窩への硝子体牽引と網膜の微細構造の変化を知ることができる。これは検眼鏡の発明以来の革命である。診察のアートが失われると嘆く向きもあるであろう。しかし,我々はOCT を駆使して眼科学をさらに発展させるべきであろう。本書はOCT を診断にどう役立てるかを主眼にしたので,疾患についての記述は概要にとどめ,文献も網羅的ではない。症例はすべて群馬大学における自験例である。多くの医局員の協力があった。土俵際に追い詰められた力士の心境で,最後まで妥協をしなかった第3 版の内容に著者としては満足している。本書が多くの眼科医に利用され,眼底疾患の診断と治療の助けになれば望外の幸せである。

2014年10月

初秋の前橋にて
岸 章治

【目次】
総論
I.   OCTの歴史
II.  OCTの基礎理論
III. OCT画像
IV.  正常所見
V.   ソフトウェア

各論
I.   網膜硝子体界面病変
II.  加齢黄斑変性
III. 分類不能な黄斑疾患
IV.  中心性漿液性脈絡網膜症
V.   糖尿病網膜症
VI.   網膜血管病変
VII. 病的近視
VIII.裂孔原性網膜剝離
IX.  黄斑ジストロフィ
X.   網膜変性
XI.  ぶどう膜炎
XII. 炎症性疾患
XIII.視神経・網膜神経節細胞
XIV. 形成異常
XV.  外傷
XVI. 脈絡膜腫瘤