書籍詳細

医療安全への終わりなき挑戦

武蔵野赤十字病院の取り組み

監修・著=三宅 祥三(武蔵野赤十字病院院長) 
編集・著=矢野 真(武蔵野赤十字病院呼吸器外科部長)/棟近雅彦(早稲田大学理工学部教授)/河野龍太郎(東京電力㈱技術開発研究所特別研究員)

B5判

162頁

ISBN978-4-86034-515-0

2005年02月発行

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(推薦文・抜粋)
■たとえ10人の赤ひげがいても、たとえ100人のナイチンゲールががんばっても、ひとりひとりの努力や注意力でできることには限界がある!
■現在の病院医療には、「システム」「チーム力」「組織体制」が必要だ。
■本書は、正しいことを、今すぐやるためにはどうすればよいのか、
医療安全のノウハウを提供する優れた実践ガイドである。
東北大学大学院医学系研究科教授 上原鳴夫    . 

目次

プロローグ 武蔵野赤十字病院の医療安全アプローチ(三宅祥三)
1章  職員を動かす組織づくり(矢野 真・編)
〔1〕   武蔵野赤十字病院における医療安全対策
―各取り組みの導入背景と概要   (三宅祥三)
〔2〕   QCサークル活動(菅野隆彦)
Column:NDP活動
〔3〕   インシデントレポートの活用―整形外科の例(山崎隆志)
〔4〕  医療安全推進室の活動の実際(田浦和歌子)
〔5〕  看護部の組織づくり―リスクマネジメント・ナースの役割(高橋高美)
〔6〕  クリニカルパスの効果(田中良典)
〔7〕  急性肺塞栓症の予防(丹羽明博)
〔8〕  救急カートの整備と統一(諸江雄太)
〔9〕  インスリン治療の標準化(菅野一男)
〔10〕  安全確保のための教育研修(日下隼人)

2章  早稲田大学理工学部・棟近研究室との共同プロジェクト
-医療安全の方法論とその実践(棟近雅彦)
はじめに
〔1〕  インシデントレポートの分析
〔2〕  エラープルーフを活用した安全対策
〔3〕  院内安全ハンドブックを活用した看護師教育と標準化の推進

3章  異なる職種間のコミュニケーションの場をつくる
-ヒューマンファクター工学を学ぶグループワークのすすめ(河野龍太郎)
[1]  医療安全推進研修会の目的
[2]  ヒューマンファクター工学とは
[3]  研修会の実施
[4]  結果
[5]  考察と今後の課題  

4章  医療安全対策ケース・スタディー(矢野 真・編)
はじめに
●医薬品の規格・用量
〔1〕  医薬品の単位①:意図と異なる含量で調剤されてしまう
〔2〕  医薬品の単位②:単位を間違ってしまう
Column:わかりやすい単位の記入法
〔3〕  医薬品の濃度①:高濃度カリウム製剤を急速静注してしまう
〔4〕  医薬品の濃度②:キシロカイン2%と10%を取り違えてしまう
Column:日本医療機能評価機構 患者安全推進協議会
●名前の間違え
〔5〕  類似名称の医薬品①:アトクイックをエピクイックと間違えてしまう
〔6〕  類似名称の医薬品②:薬品棚からウテメリンと間違えてメテナリンを取り出す
〔7〕  病室での点滴:誤って隣の患者さんに点滴してしまう
〔8〕  外来での患者呼び出し:呼ばれた患者と違う患者が入ってくる
●習慣性
〔9〕  挿管チューブの接続コネクタ:コネクタのキャップが閉められてしまう
〔10〕  抗癌剤プロトコール:汎用のプロトコール集からは処方ミスに気づかない
〔11〕  注射薬の包装形態:未滅菌なのに滅菌済みと誤解される
●帳票類
〔12〕  注射処方箋:指示変更の内容が伝わっていない
〔13〕  入院と外来の引き継ぎ:禁忌薬が処方されてしまう
〔14〕  手術予定表:手術部位を表す文字「右」を「左」と見誤る
〔15〕  チェックリスト:間違っているのに「レ」チェックを記入してしまう
●医療用具の取り扱い
〔16〕  抗癌剤の輸液セット:専用の輸液セットが用意されない
〔17〕  シリンジポンプ:押し子がはずれてドパミンが急速注入されてしまう
●患者行動
〔18〕  転倒・転落:動けるようになると患者1人で排泄行動をしようとする