書籍詳細

今度こそモノにする薬剤師のPOS

クラスタリングがわかればPOSがわかる!

著=岡村祐聡(服薬ケア研究所所長)

A4変型

144頁

ISBN978-4-86034-585-3

2008年12月発行

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医療の質を向上させるために効果的な考え方であるPOS(Problem Oriented System)を,臨床の薬剤師が業務の中で自由自在に使いこなすことができるように,クラスタリング(同じ内容を表すものを一つの固まりにまとめること)の概念を用いてわかりやすく解説したテキスト。


序文より一部抜粋


POSは医療の質を向上させるために,とても効果的な考え方です。しかし薬剤師の臨床の現場では,いまだにPOSに戸惑い,POSを使いこなすことができない薬剤師が多いように感じられます。長年薬剤師の生涯教育に携わってきた著者は,なぜPOSの考え方をうまく取り入れることができないのか,逆に言うと,どこをクリアすれば,POSの本質を理解し,業務の中で自由自在に使いこなすことができるのか,その答えを,全国の多くの現場の薬剤師の教育にかかわる中でつかんできました。その,これまで得てきたものすべてをつぎ込み,「今度こそPOSをモノにする」ためのテキストとして著したのが本書です。
POSは,まず得られたデータをクラスタリングして,その内容を吟味するところから始まります。アセスメントを育てながら,不足しているデータを見つけ,それを質問により補っていきます。そして,SOAPのバランスを見ながら情報を追加して行き,アセスメントを固めることができたとき,プロブレムは確定し,ケアプランも確定するのです。このように情報を補いながら,同時に,頭の中でSOAPを育てていく思考力をつけていけば,POSを自由に使いこなすことができるようになります。
本書はPOSの本質的考え方を学ぶ書として,そのわかりやすい解説から訓練方法まで網羅して編まれました。薬剤師のためのPOSのテキストとして,本書が現場でPOSを実践する薬剤師たちのために役立つことを心より祈念いたします。

平成20年12月
岡村 祐聡


目次

第1章 序論
I 本書のねらい
II POSをモノにするためのポイント
III POSとはどんなものなのか
IV Problem Orientedに考えるとは
V 医療における薬剤師の役割
VI 医療は愛である
第2章 プロブレムとは何か
I プロブレムとは焦点を当てたところ
II プロブレムの広さ
III プロブレムはプランとセットでとらえる
IV 専門性に基づくプロブレム
V プロブレムネームを必ずつけよう
VI プロブレムリストを用意しよう
第3章 クラスタリングとは何か
I クラスタリングの意味するもの
II クラスタリングの実際
III 追加の質問でプロブレムを固める
IV クラスタリングからプロブレムの確定まで
V 服薬ケアステップ
第4章 SOAP
I SOAPとは何か
II SOAPのバランス
III SOAPの優れている点
第5章 実務への応用
I 薬剤師によるPOS実践の留意点
II 情報の吟味
III オーディットは必ずやろう
IV 患者応対の効果を高めるために
第6章 薬剤師の医療記録としての薬歴
I 医療記録としての重要性
II 理想的な薬歴を目指して
III 電子薬歴へ向けて
第7章 POSの考え方が身につく演習方法
I なぜさまざまな演習が必要なのか
II さまざまなワーク
1 SOAP遊び
2 気付きリスト
3 クラスタリングシート
4 歯抜け薬歴
5 会話提示によるクラスタリング練習
6 ロールプレイによるクラスタリング練習
III 総合演習
1 「頭の中をPOSにする」グループワーク
2 SP研修