書籍詳細

薬剤師の臨床業務に役立つ情報活用法

監修=折井孝男(NTT東日本関東病院薬剤部)

B5判

290頁

改訂版

ISBN978-4-86034-566-2

2006年01月発行

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薬剤師の臨床業務に役立つ情報検索
―その利用・活用―


高度情報通信社会の到来に伴い,医療分野の情報化も進展していることは周知の事実である。極端な表現をすれば情報化社会が医療を変えているといっても過言ではない。このような情報化の中で医薬品にかかわる情報も増大するとともに急速な頻度で更新されている。

この情報化の中において,薬剤師に求められるものは,“computer literacy”,というよりも“information literacy”と呼べるものである。つまり,情報を処理する能力にとどまるのではなく,さらに広範囲により多くの情報源への知識,学術雑誌や文献検索の知識,医学・薬学図書館などを中心とした情報サービス機関の理解などの知識と技術,そして,その利用・活用である。収集した情報について,すぐに役に立つ実践的な使い方だけでなく,情報の有する特徴などを評価し,判断,確認を行い,利用,提供,さらに活用しなければならない。このような情報を丁寧に扱い,しかもその情報を医療・福祉などの臨床現場で活用していくことの積み重ねが医薬品の適正使用につながることは明らかである。

改訂版では,薬剤師の臨床現場における情報の活用方法について,前版を基盤として多くの施設にお願いし,薬剤管理指導や他職種との連携などについて事例を挙げ,情報の活用について述べていただいた。各施設における情報の一つの活用例としてとらえていただければ幸いである。各施設の事例,あるいはコンピュータの利用方法について,さらに深く知ることを希望される先生方のために,執筆していただいた先生方の電子メールアドレスも許可を得た範囲で掲載した。医療,特に薬剤にかかわる情報を従来以上に有効に活用するための一手段として本書を活用していただきたい。

 2005年12月

NTT東日本関東病院薬剤部長
折井 孝男

目次

第1章 薬剤師と情報のかかわり
1. 薬剤師の実務と情報検索―薬剤情報
2. 薬剤師の実務と情報検索―患者情報
第2章 情報検索を実務に生かすには
3. 医薬品の採用
4. 市販直後調査
5. 医薬品等の安全性情報
6. 医薬品等の回収情報
7. 調剤―注射薬
8. 調剤―リスクマネジメント
9. 薬剤管理指導―安全性に関する介入
10. 薬剤管理指導―疾患別投与計画への介入
11. 薬剤管理指導―薬動力学的投与計画への介入
12. 薬剤管理指導―遺伝的素因を考慮した介入
13. 薬剤管理指導―精神科
14. 薬剤管理指導―高齢者
15. 薬剤管理指導―小児
16. 患者への情報提供
17. 医療スタッフへの情報提供
18. 臨床試験
19. 他職種との連携―クリニカルパスの作成・評価・改訂
20. 他職種との連携―糖尿病療養指導
21. 他職種との連携―栄養支援
22. 他職種との連携―感染管理
23. 他職種との連携―外来癌化学療法
24. 他職種との連携―緩和ケア
25. 他職種との連携―褥瘡ケア
26. 薬学生実務実習の指導
27. 薬剤経済アウトカム研究
第3章 検索のための情報源
28. インターネット医薬品関連情報
29. MEDLINE
30. EMBASE
31. 医学中央雑誌
32. iyakuSearch
33. JMEDPlus
34. Cochrane Library
35. 電子ジャーナル
コラム 病院の実務に生かせるIT(Information Technology)
1. 電子カルテ
2. オーダリングシステムとリスクマネジメント
3. 医療におけるクリティカルパス
4. EBM(Evidence-Based Medicine)について
5. 診療ガイドライン
6. 薬薬連携
7. CRC
8. 専門薬剤師